引き返し編みの話、まだまだ続きます!
ここからちょっと話がややこしくなりますが、先日試した6方式↓を大別すると、今までご紹介したかけ目式、W&T、Shadow Wrapsを一つのグループ(1)、日本式1と2とドイツ式をもう一つのグループ(2)と分けられます。
なぜ分けられるかというと、どのやり方でも段差を何らかの方法で消すのは共通なのですが、引き返し編みで出来る段差に違いがあるからです。
今まで見てきたW&Tなどのグループ1方式は、引き返した段で、最初の目を編みます。
それに対し、日本式は皆さんご存知のとおり、引き返したら最初の目はすべり目にしますね。
後日ご紹介するドイツ式も同じようにすべり目にします。
これを図式化すると、以下のようになると思います。
念のため、左から、ドイツ式、かけ目式、日本式1(かけ目+すべり目)、日本式2(すべり目)、W&T、Shadow Wrapsです。
グレーの黒枠で囲まれていないマスは、段差を消すために裏に回る糸を捻出するための作業で、編み終えた時には表側には出てこない目です。
日本式1は編み物の本では日本式2と同じ記号を使って書かれていますが、実際に行う作業を明示するためにかけ目を別に表しています。
話を元に戻すと、グループ2では引き返した段の最初の目はすべり目にします。
したがって、実際に編み終えた後、表側から見た目はグループ1が左図のようになるのに対し、グループ2では右のようになります。
つまり段差がなだらかで、表から見た仕上がりがきれいに出来るのです。
海外パターンを編んでいると、お手軽なW&T全盛という感が否めませんが、日本式も捨てたものではない!ということです。
ただし、日本式は、1の場合は裏側(編地左側)ではかけ目と次の目を入れ替えて編まなくてはいけない、
2は段数マーカーなどの印をつけないといけないし、段消しの裏糸がやや長い(↓リングがかかっている箇所です)。
セーターならいいですが、Vitamin Dのようにカーディガンの前身頃に使うと、裏側がヒラっと見えないとも限らない。
そういう弱点もあるのです。
では、ラップ&ターンのお手軽さと日本式の良さを併せ持つやり方は?!
次回のお楽しみに~。