完成品 & 糸レビュー

fonty Moustache糸レポとクツシタビ

皆さん、こんにちは。
久々となる私的編み物ブログ+Tricotinの更新です。1年くらい更新していなかったのではと思っていたのですが、たったの!4か月でした。
今回のお題は以前インスタグラムに写真を投稿した糸のご紹介とその糸で編んだ作品についてなのですが、前回も糸レポをしていました。糸だらけですね;

さて、今回ご登場いただく糸はフランスのメーカーfontyのMoustacheです。
fontyの糸はよく使うので、以前にもレポをしたことがあったような気がしたのですが、最近の記事が見当たらないので再度(?)ご紹介しておきます。
fontyはフランスのメーカーで、フランスのちょうど真ん中あたりに位置する山地の中の、クルーズ県に会社があります(クルーズは航海でもトムでもないです)。そのロケーションから想像されるとおり(?)、人口、産業ともに少なく、過疎化の進む県でもあります。
しかし、クルーズ県にはタペストリーで世界的に有名なオービュッソンという街もあり、テキスタイルの伝統がある県でもあります。ちなみにオービュッソンのタペストリーは世界無形文化遺産に登録されています(うーん、やっぱりどこかで書いたことがあるような)。

さて、1880年創立というフランスの老舗メーカーfontyは、クルーズ県にある工場で環境負荷の少ない方法で糸を作っています。
フランス製品は私にとってローカル製品であり、地方産業の灯を絶やさないためにと思ってよく使っているのですが、クォリティーが高く、カラーも豊富なものが多いのも手が伸びる理由の一つです。
糸の原料となるウールは海外から仕入れているものがほとんどでしたが、ローカル”製”だけではなくローカル”産”であることが求められる時代。fontyでもここ数年、フランス産、ヨーロッパ産のウールを使った糸の販売も始めました。今シーズン新作のイル=ド=フランス種のウールだけを使った1880や、フランスのアルル種メリノとポルトガルのブラックメリノをブレンドしたFado(無染色紡毛、並太)やNimbus(染色梳毛、合太)もあります。

(そう言えば、最近出したAlexandre IITop-down MLBCもfontyの糸を使っていたのでした。私って回し者😳)

前置きがまたも長くなりましたが、Moustache(口ヒゲまたは動物のヒゲ)という面白いネーミングのこの糸は、原料はおそらく外国産の糸です。
メリノ50%にスーパーキッドシルク30%とシルク20%をブレンドした糸で、柔らかく、艶があり、モヘアの毛羽がふんわりと出ています(モヘアは南ア産だそうです)。

メーカーさんのサイトではSport~DKに分類されているのですが、50g巻きで225mあり、標準ゲージは28目36段なので中細糸かな🤔と思います。

発売されたのは2020年の秋冬シーズンで、スペックが素晴らしいし、カラーも渋めの美しい色が揃っているのでぜひ使ってみたかったのですが、ウェアに使うにはちょっと細いし、モヘアがすでに入っているので引き揃えて使うと意味がないし。。。と、編みたいものが決まるまで購入を控えていました(私エラい😌)。

この糸で編もうと思ったのは自作Tabbiesの冬バージョン。
くるぶし丈のタビーは冬にはやや寒く、余っていたナイロン入りのソックヤーンで編んだ長めのタビー(↓)が重宝していて、ほぼ毎日履いているので、もう1足冬のタビーが欲しかったのでした。

ちなみに、ナイロン入りソックヤーンの耐久性レポをする、と以前Tabbiesお直しの記事に書いたのですが、ナイロン入りの糸はやはりウールだけの糸よりも強いように思います。
こちらのピンクの糸はHedgehog FibresのSockで、100g当たりが400mと、サンプルのしましまTabbiesを編んだマラブリゴのSockと糸長が全く同じなのですが、糸も太く見えるし、糸が細くなっていくスピードも遅いように思います(それでも最近かかとのダーニングをしました)。

ただ、個人的にナイロン入りソックヤーンは手触り肌触りがひんやりとしているのであまり好きではなく、またかせから玉に巻く時に絡まりやすかったりと扱いにくいので(2回も100gかせが絡まったことがあり、泣きました😭)、出来れば使いたくないのです。
レースのショールはシルクが入っている糸の方がハードなブロッキングができると知り(Boo Knitsさんの受け売り)、またどこかでモヘアは自然のナイロンなので靴下にも良いというのをどこかで読んだことがあり、実はこの糸ピッタリ?!と思って冬タビーに使うことに決めたのでした。

また、マラブリゴSockのOchreの残りで自分用の冬タビーを作ろうと思っていたのに、娘にこの色で冬タビーを編んでと言われ、自分のを編む糸がなくなってしまったのです。。。

Ochre色、やっぱりステキですよね。
Moustacheのマスタード色を選んだのは、この色に近い色が欲しかったからなのでした😔。

気になる編み心地ですが、素晴らしい✨の一言です。
手触りが柔らかく、温かく、ふんわりしっとりしている感じは、アルパカ糸の手触りにも似ている気がします。目もなかなかきれいに揃いますよ✨

標準ゲージは28目で、タビーのゲージは32目なのですが、目がつまり過ぎた感じにはなりませんでした。
これでもう少し太かったらウェアに使えるのに。。。というのが残念でなりません(28目は大物編みには厳しい)。
ハイスペック糸なので仕方がないことですが、手染めでない普通のメーカーさんの糸にしてはややお値段が張り、1玉10.20ユーロ、現地価格で1350円くらいします。なので、小物向けに良いのではないかと思います。首に当てるとモヘアのくすぐったい感じがしますが、チクチクはしません。ショールに使うとほわほわとしてツヤがあってドレープも出て、言うことなしなのではないかと思います。

で、出来た冬タビー(またはクツシタビ🙃)がこちらです。

糸がたっぷりとあるので脚の部分を長めに取りました。丈短めのマムジーンズと合わせても、ジーンズに隠れるくらいです。
脚部分はフィット感が欲しかったので、履き口のゴム編みを編んだ細い針で編み、くるぶしの骨に達した時点で足部分を編むメインの針に切り替えました。
さらにそこから2cm編み、かかとの引返し編みに入っています。

50gで225mと、マラブリゴのSockよりも細いので、編地はさらに薄手になります。
でも、モヘアが入っているからなのか、とても温かいのです。ピンクのナイロン入りの冬タビーと比べると、断然温かいです!

モヘアの毛羽、見えるでしょうか。

軽くて薄いのにふんわりと足を包んでくれる感じで、とても気持ちがいいです。足元から幸せになれます💗

以下の写真2点は、光によって見え方が変わりますよ~というだけの写真です。
こちらは家の中で直射日光が差した時の色。

こちらは昼間のやや暗いときの色。茶色っぽく見えますね。

数日履いての感想ですが、くつ下あるあるで、履き口と脚の部分の目がゆるんで来るなあ、と思いました。
段々ずり落ちて来てしまうので、Tabbiesのアンクル丈バージョンでもおススメしているのですが、履き口の作り目にゴムを入れるといいのではないかと思います(まだやっていないですが💦)。ビーズ細工等用の透明なゴムを入れると見えなくて良いですよ。衿ぐりがゆるんできたセーターなどにも使っていて、あると重宝します!

またこちらのくつ下の耐久性具合等もご報告します!
ちなみにパターンはこちらです🙂:Tabbies

スリッパ代わりのビーチサンダルは20年選手だったのですが、そろそろ鼻緒が切れそうです。。。
次はもうちょっとニュートラルな色にして、暖色系以外のタビーを合わせられるようにします!

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