皆さん、こんにちは。
先日の記事で、スティーブン・ウェストさんのFerocious Briocheousをベースにブリオッシュ編みのマフラー中を作成中であるとご報告いたしました。
マフラーはただいま成長中です。
4色を使って編むパターンで、1色を使い切ってから次の色に移るのですが、他の3色が編み物バッグにスタンバイしているのに同じ色で編み続けることに倦んでしまって計画変更。それぞれの色の長さをバラバラにすることにして、続きを編んでいます。
さて、前置きが(またしても)長くなりましたが、今日の本題はブリオッシュ編みです。
ちなみに毛糸だまさんでも今季ブリオッシュ編み特集を組んでいたので、かぶっている箇所があるかもしれませんが、その場合は読み流してくださいね(残念ながら本屋にちらっと立ち読みに行けないのです・・・)。
ブリオッシュ編みには1色のブリオッシュ編みと2色のブリオッシュ編みと呼ばれるものがあって、両者は似てかなり非なるものです。
2色のブリオッシュ編みはもちろん1色のブリオッシュの編み方を発展させたものですが、ダブルニッティングのように両面で別々の色が出るように編むもの(平編みの場合)もあれば、暗めの色をベースにして明るい色の模様を浮き上がらせるものもあります(こちらは輪編みの場合が多い)。こちらは私もまだ研究中です。
さて、お題の1色のブリオッシュ編みですが、この編地を見て皆さんはどう思われるでしょうか(下手、なのはともかくとして*_*)。
ゴム編みに見えますよね。
ブリオッシュ編みは実はゴム編みの応用で、日本では“両面引き上げのイギリスゴム編み”と呼ばれるものです。日本語のちょっと詳しい編み目説明本には載っていると思います。
1目ゴム編みでは{表目・裏目}と編んでいくところをまず最初の段は{表目・かけ目をしながらすべり目}と編んでいき、次の段からは、かけ目をしたすべり目(反対側の面では表目になる)はすべらせた目とかけ目を一緒に表目で編み、前の段で表目で編みし、1目ゴム編みなら裏目に相当する目はかけ目をしながらすべり目、と編んでいきます。。。
言葉にするとわかりにくいですが、実際に編んでみるとそんなに難しいことはありません(最初はかけ目をし忘れたりとかすべり目をするときに糸割れするというハプニングがありましたが^^;)。
ところでこの「かけ目をしながらすべり目」をし、次(またはそれ以降)の段で編む目は、日本では「引き上げ目」と呼ばれます。
そして「引き上げ目」にはもう1通りやり方があって、こちらは「後でほどく引き上げ目」と呼ばれています。これは、針にかかっている目ではなく、そのすぐ下にある目に針を入れて編み、針にかかっている目をほどくことになります。
どちらも結果は同じになり、2段編んだら1目できることになります。
そしてこの「後でほどく引き上げ目」を使った1目ゴム編み({表目・後でほどく表目の引き上げ目}のくりかえし)は、英語圏ではFisherman’s Ribと呼ばれています。そしてフランス語では Côtes anglaises、すなわちイギリスゴム編み、と呼ばれています……。
ちょっとややこしいですが、1色のブリオッシュ編みはすべり目タイプの引き上げ目を使った1目ゴム編みで、奇しくも?編み方が違うフランス語と呼び方は同じなのですね。
では同じ編地ができるのになぜわざわざ別の名前がついているのかというと、フィッシャーマンゴム編みと編み方が異なるから(ただしオランダ語ではどちらも同じ呼び方をするようです)、そして出来上がる編地がブリオッシュのようにふんわり柔らかいものだからのようです。
ちなみにマリーアントワネットは(脱線しますよ^^)、民衆には食べるパンがないんです、と家臣に言われたときに、「ならケーキを食べればいいじゃない」と答えたと言われていますが、オリジナルのフランス語では「ブリオッシュを食べればいいじゃない」と言ったのだそうです(でも本当に王妃がそんなことを言ったのか、確証はないそうです)。この言葉が訳された当時、日本ではブリオッシュの知名度は低かったんでしょうか。
もう1点、糸さばき、針さばきについて。
英語圏では「すべり目+かけ目」は、針の間から編み糸を手前に持ってきてすべり目をし、編み糸を向こう側に戻してかけ目をして次の表目(+かけ目)を編むポジションに持っていく、と説明されています。
最初は指示通りに、編み糸を手前に持ってきてかけ目をしながらすべり目をしていたのですが、途中で編み糸を手前に持って来る必要がないことに気づきました。
というのは、表目を編んだ後は、右針は当然ながら編地の向こう側にあるので、編み糸をすくいつつ次の目に右から針を入れてすべり目をすれば(↓現場です)、わざわざ針の手前に糸を持ってこなくてもかけ目+すべり目ができてしまうのです。
むむ?と思って試してみたところ、英語の説明はアメリカ式で編む場合の説明でした!
アメリカ式では編み糸が右手にかかっているので、すべり目をする前に手前に持ってきておかないと、針が邪魔をしてかけ目ができないのですね。
こんなところでなんだか文化の壁を感じました。。。
ダンナサンのマフラーはここまで成長しました。次回は変更点についてアップしたいと思います。
追記:ブリオッシュ編み考の続きです
ブリオッシュ編み考2
ブリオッシュ編み考3