糸レビュー

Jamieson’s of ShetlandのSpindrift

先日編込みの実演写真をアップしましたが、そのときに使ったスウェーデンカラーの糸はJamieson’s of ShetlandのSpindriftという糸でした。ずいぶん前に、娘に編込みの手袋でも編もうと思って購入したのですが、他のものが編みたくなって放置(このようにして在庫糸は増えていくのですね^^;)。
チュートリアルを作り始めたときに、Holst Garnでは細くて見づらい(上に編みにくい)なと思って、引越しのダンボールから引っ張り出してきたのでした。

昔撮ったお写真を。

Peacock & Mustard

他にも“娘用”の色も買いました。

Lipstick & Orchid

これはこの間お見せしたモチーフ。

他にもいろいろと練習したのですよ^^。

この糸を編んでいて思ったのは、本当に編込み用の糸なんだなということ。
編んだものの写真を見てもらえばわかるように(クリックすると大きくなります)、ふんわりとした糸を2本撚りにしてあり、細かい繊維が出ていて、これが絡み合うのです。Holst Garnも絡む、と以前に書いたことがありますが、それよりもさらに絡みます。一度編みこむともう動きません!という感じです。裏で渡すときには、よほど間が開いていない限り交差させなくていい糸だと思います。
さてこの糸、編み心地はわりとドライで、Holst Garnがガサガサなら、パサパサ、ポソポソとしている感じ。素朴で、メリノのような心地よさはありません。
でも、編地を首の肌に当ててみると不思議なことにほとんどチクチクしないのです。これにはちょっと驚きました。

実は去年、MOORITさんの『こんな糸で編んでみたい』を読んで糸についてもっと知りたいと思いに火がつき、The Fleece and Fiber Sourcebook – More Than 200 Fibers from Animal to Spun Yarn という本を誕生日にプレゼントしてもらいました。とても内容の濃い本で、羊の品種ごとにその歴史や特性、紡ぎや染色時の注意点、最適な使用法(カーペット向け、手編み向け、手編みならアウター、インナー向けかなど)などが細かく載っています。写真が多く、羊は品種ごとの写真が載っていて、見ているだけでも楽しいのですが、400ページもある本で、数ヶ月かけて読破しました(紡ぎの注意点はちょっと飛ばしたけれど)。

著者のDeborah RobsonさんとCarol Ekariusさんはスピナーの間では有名な方のよう。他にもスピナー向けにもう少しハンディーな本も出しています。この本は私にはちょっとレベルが高すぎるくらいでしたが、ウールに関しては”真打ち”と言える本だと思います。それぞれの品種のウールを集め、洗って紡いで報告しているのですよ。その調査の徹底ぶりには脱帽!です。

さて、この本にもちろんシェットランドシープのことが書いてあるのですが、巻頭の「初心者向け品種別分類」ではシェットランドウールは柔らかいウールに分類されているのです。でもSpindriftはあんまり柔らかくないんだけれどな~と思いながら編んでいたのでしたが、シェットランドシープには、繊維が細くシルキーで柔らかいウールもあれば、それよりももう少し太く粗いウールもあるそう。前者は指輪に通ってしまうくらい繊細な「リングショール」を編む糸で、柔らかい毛を産する羊の特に柔らかい首の部分を使った糸。後者は編込みをするための糸。でも全体としてはメリノに近い細さ(平均23ミクロン)なのだそうです。だからスルスルした柔らかさがなくてもチクチクしないのかなという結論に達しました。

Jamieson’s of Shetlandは、Jamieson & Smithと並ぶシェットランドのメーカー。
J & SさんはナチュラルカラーのJumper weight Supremeが有名ですが、Jamieson’sさんの同じカテゴリーのSpindriftはカラーバリエがより豊富(シェードカードをポチリそうになりましたよ^^;)。どちらも繊細なショールを編むための糸という感じではないですが、編込みでなくても素朴な糸が似合うデザインにはまた使ってみたい糸です。

なんだか糸レポなんだか本レポなんだかよくわからなくなってしまいましたが、おつき合いありがとうございました。
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