Everyday Sweaterをリリースしました

皆さん、こんにちは。
昨日（これを書いている時点では）Everyday Swewaterという、1月からテストをしていただいていたセーターのパターンをリリースしましたので、今回はそのお話です。

このセーターを作ろうと思った第一の動機は、中くらいの厚さのプルが欲しいと思ったことです。世の中には中細糸と並太糸のセーターのパターンが山のようにあります（どちらの糸もそれぞれ熟練ニッターと、経験値の浅めのニッターに人気があるからでしょうか）。私も手持ちのニットはどちらかの太さの糸を使ったものが多いのですが、中細fingeringでは寒く、並太worstedでは暑いことがあり、合太SportまたはDKのプルが欲しかったのでした。

新しいプルには、以前からやって見たかったユｘクロなどの既製品のセーターに見られる、肩の合わせ目のラインが肩の真上ではなく、後ろ肩に来るデザインを使ってみることにしました。また、オバチャンなので寒くないように衿ぐりは開き過ぎず丸首で、となるとシンプルでカジュアルめなデザイン（それ以外のものをデザインしたことはないのですが）、ならセットインスリーブではなくドロップショルダーに。。。と方向性が決まっていき、最終的にスウェットのようなセーター、となりました。

糸の太さはもちろん合太なのですが、普通なセーターにしたくて、手染めでない単色の糸にすることに。ならばやっぱりここはfontyの出番です（私は回し者ではないのです）。
今回使ったのは合太でもやや細めの糸で、Cycladeというリサイクルウールを使った糸。リサイクルウールだと糸の組成が完全にはわからないことが多いのでウールの割合は最低95％とされています。

実は以前にも使ったことがある糸で、編み終えて水通しをしたらふっくらしたという記憶があったのですが、編み始めは結構カサカサしていて、チクチクがちょっと心配でした。こちらは杞憂に終わりました。

出来上がった後の写真ですが、肩はこのようなラインに。

肩幅が身幅よりも狭い変形ドロップショルダーで、こうすることで脇下のもたつきを抑えることが出来る、と言われています。

身頃は真っ直ぐに編み、脇には私のパターンを編んだことのある方ならおなじみの裏目でないフェイクシームを入れます。

変形ドロップショルダーの袖はトップダウンで編む時は、肩幅と身幅の差の脇下部分をつなげないといけません。
これに小細工を要するのですが、2通りの方法を掲載しました（ちなみにサイズ1のみ身幅と肩幅が一緒になるので、この小細工パートは編みません）。

袖は一応普段の長さを編んでみたのですが、何故か長さが足りず、なんと拾い目から50cmという長さになってしまいました。

出来上がったプルはスウェットのようで、まあ狙い通りになりました。

デザイン的にユニセックスなので、パターンをユニセックスにすることにしました。
そういう訳でセーターにはレギュラー丈（女性）とトール丈（男性）があります。トールは170cm以上の男性を想定しており、袖付け回りや上腕回りが大きくなります。

また、バストが大きい方のために、バストシェイプを入れる編み方も作ってみました。
テスターのTomomiさんがこちらの編み方をテストして下さったので、ご興味のある方はTomomiさんの投稿をご覧下さい。

編み上がってすぐはこちらのセーターを着るにはまだ涼しく、もう少し太めの普通の合太糸で、ハイネックをつけて編んでみたいと思い、またfontyの出番となりました。
今度はTartan 3という50gにつき140mあるウール100％の糸で、チャコールグレーにしました。

こちらは最初から手触り良く、柔らかく編みやすい糸でした。

2つ目のサンプルはハイネックにしただけでなく、前後の長さが違うスプリットヘムにしたり、袖口のゴム編みも普通のバージョンより長くしてみています。

パターンのサンプルは普段はリリースまでなるべく着ないようにしているのですが、このプルは気候的にも気分にもピッタリだったので、かなり着倒して毛玉も出ています。。。