チュートリアル

アイスランドの伏せ止め

皆さん、こんにちは。

ずいぶん前にドイツのねじり作り目という作り目をさらっと紹介したことがありますが、先日この作り目に合う伏せ止めの仕方を見つける必要がありました。
ご存知の方も多いと思いますが、ドイツのねじり作り目というのは普通の指でかける作り目よりも伸縮性があり、かつ指でかける作り目の手軽さもあり、ゴム編みの作り目が苦手な人(←私)にはありがたい方法なのです。
一ひねり加えて目を作るので、普通の作り目(写真右側)より高さが出て(左側)、目の形も裏目を編んだようになります。

伏せ止めで、同じように伸縮性があるもの、と言えばElastic BOと呼ばれるやり方(2目を編んで、*2目の裏側に目を入れて一緒に編み、目を戻す。次の目を編み、*からをくり返す)が思い浮かびますが、個人的にこの方法はあまり好きではないのです。ただ単にきれいにできないから、という理由なんですが^^;。
そういうわけでGoogleさんのお世話になり、引っかかってきた方法をいろいろ試してみました。
Russian BO:ロシアの伏せ止め、Jeny’s Surprisingly Stretchy BO:ジェニーの驚くほど伸縮性のある伏せ止め(略してJSSBOだそう)、Icelandic BO:アイスランドの伏せ止めなどです。
そしてアイスランドの方法を採用することにしました。
理由は、ドイツの作り目には劣るもののそこそこ伸縮性があり、似たような目ができるからです。

ネットの動画や作り目・伏せ止めの専門書等では、表目を1目編んで左針に戻し、戻した目に右から針を入れつつ次の目を表編みするという方法が紹介されていますが、この部分がちょっと面倒かなと思って、もっと簡単にできるようにアレンジしました・・・・・・と言ったらカッコいいのですが、ゴム編みを止めるときに表目を編む代わりに裏目で止められないか試行錯誤しているうちに簡単なやり方にたどり着きました。

この方法で目を止めるときの注意点ですが、ゆるめに止めて下さい!
そもそも伏せ止めも作り目も、使用する糸が長ければ長いほど伸縮性が出るもので、この伏せ止めを上記の一般的なやり方で止めるときは針を目にくぐらせている間に目がゆるむのか、そこそこ伸びがよくなるのですが、以下に紹介する方法を編んでいるときと同じ手加減で行うと、ほとんど伸びません!手がきつい方は太目の針を使うと、手加減を気にしなくていいですよ^^。

では前置きがとても長くなってしまいましたが、簡易版アイスランドの伏せ止めのチュートリアル、行きます。
なお、表目の代わりに裏目を編んでも出来にほとんど変わりがないので(実験済み)、すべて表目で通します。

1.1目表編みする。

2.次の目をすべり目にする。

3.表編みした目をすべり目にかぶせる。

目をかぶせたところ。表目が止まっています。

(一般的なやり方では2目目を表目で編むときに1目めの表目が止まる仕組みです)

4.出来た目を左針に戻す。

この4ステップをくり返して、すべての目を伏せる(1はくり返しでは左針に戻した目を表目で編みます)。

最後の目を表目で編んだら目を大きくして糸を切る。

出来上がりはこのようになります。

伸びがあるので、縁がガーター編みのトップダウンショールなどにも使えますよ。

こちらは作り目にドイツの方法を使っています。

そしてこのような伏せ止めが必要だったわけは、ドイツのねじり作り目で編み始めたカウルを伏せ止めするため。
丈の短いカウルは作り目と伏せ止めの両方が見えますよね。なので目の形を揃えたいと思ったわけです(日本人ですからそういう細かいところが気になります^^)。

昨日テストが終了したSpring Thaw Tam /* 春の雪どけ帽 */↓ と同じ編み方のカウルに使っています。

現在帽子とカウルのパターンを鋭意?(あたふた?)準備中。カウルはフリーでリリースする予定です!